人々の喧騒から少し離れた静かな公園。 デジタル時計が22時過ぎを指し、寒さが肌を鋭く刺すようなここには私以外いない。 「あー、寒い」 思いつきで出てきたのが間違いだった。 私が来てきたのは部屋着のパーカーとジーンズ、ムートンブーツ。 そしてお金は一銭も無く、携帯さえ置いてきてしまった。 どれだけ私短慮だったんだ。