あたしは得意のポーカーフェイスで表情を崩すことはなかった。 通りすぎたとき一人の黒髪がニコッと笑ってた。 通りすぎた後もそこから離れることはなんとなくできなかった。 なぜかまた会うことになる気がしたから。 あ、せっかく席譲ってくれたんだからはやく席とらなきゃね。 「彩音、はやく座ろう?」 「え、あ…うん!座る!」 唖然としてる彩音に声をかけ空けてもらってた席に座った。