「親父は何も考えてないように見せかけて、実はさりげなく相手を気遣うのが上手い…… そんな人だった。 キミもそうだろ?」 「えっ、いや、オレは……。そんなことは……」 「さっき、酒に弱い……なんて言ったのはウソだろ?」 「はは。バレてました?」 夕食の時のことだ……。 お父さんに気を遣って、マヒロさんがウソをついたこと。 お父さん、ちゃんとわかってたんだ。 「今度は休みの前の日に来なさい」 「えっ……」