『なんで、花火大会なんて行ったのよ』

『あの子が我ままなんて言わなかったら、、、』

『柚ちゃんまで、あんな目にあって、、、』


お母さんの葬式の日。


身内の言葉に耳を塞ぎたくなった。


柚が生まれて、お母さんはいつも柚ばっかりだった。


あの男は滅多に家には帰ってこないし、帰って来ても「勉強しろ」ばっかリ。


楓も椿も学校の友達や勉強、部活に終われていた。


幼稚園児のあたしは、、、いつも1人だった。


だから、お母さんに初めてお願いした。


「花火大会に行きたい」って、、、。


思い出が欲しかった、幼稚園の友達のように。


ただ、それだけだったんだ。


なのに、そのせいでお母さんと柚は事故に巻き込まれた。