シークレットガール

そんなあたしの気持ちを無視して、陸は手を引き歩き出す。


「何なの」

「怪我してんだろ」


そんなの、あなたには関係ない。


「対したことじゃない」


陸の手を振りほどこうとしても、力が強くて振りほどけない。


それに先ほどより、強い力で掴まれた。


手首、、、痛いんですけど。


そう思ったが、あたしは諦めて彼に従った。


なんで、よりにもよって月光の総長なんかに助けてもらわなきゃいけないのよ。


自分の失態なのに、前を歩く陸との背中に向って心の中で文句を言う。


__ガラッ__


陸は、教室のドアを開ける。


プレートには「保健室」と書いてあった。


何、手当てでもしてくれるわけ?