……可愛くない、あたし。 どうしようもないくらい、織くんが好きなだけなのに……。 扉にかけた腕を、掴まれた。 「紗英子さん、待って」 「……離してっ」 「紗英子さん」 「…………」 どうしよう。どうしたらいいんだろう。 明らかにあたしが悪いよね? だけど、なんて言えばいいかわからない。 恋愛ってどんなかんじだったっけ? わかんないよ……。 すると、深いため息が聞こえた。