「さーえーこー」



「うわぁっ!」



耳元で叫ばれて、ビクリと体が震えた。



「あ、み、美知。どうしたの?」



びっくりしたぁぁ。



「どうしたの?じゃないわよ。さっきからずっと呼んでるのに気づかないんだから」



あたし、ずっと呼ばれてたの?



「ごめん。全然気づかなかった」



「どうせ、緒方くんのこと考えてたんでしょ」



――う゛。図星です美知さん。