「……好き、だけど」



「だけど?」



「織くんへの好きとは違うよ?家族みたいなものだから」




小さい頃から一緒にいて、互いに心を許せる仲なんだ。



「……そっか」



なんだか安心したような、織くんの顔。



「そうだよ?どうかした?」



「ん?いや、なんでもない」




じゃあまたね、と織くんがあたしの髪を撫でてくれた。



「……うん」



にっこりと笑った織くんの背中を、また見つめる。



だけどあのときとは違う。



あたし……ちゃんと織くんの彼女なんだ。