「し、織く……」 「紗英子さんは俺がどれだけ紗英子さんが好きか、知らないでしょ」 「へ?」 耳元で聞こえた、甘い声。 織くんがあたしをどれだけ好きか? 「し、知ってるわけないじゃん!」 「そうなの?」 「眼中にもないと思ってたし!」 あたしの好き一方通行、を覚悟してましたからっ! すると次に聞こえたのは、クスクスと笑う声。 「織くん?」 「わかってないなぁ、紗英子さんは」