「楠先輩?」 「……う゛、あ、あの……」 織くんがあたしを好きなんて、両思いなんて夢みたいだよ? 嬉しすぎてわけわかんないよ? でもあたし……実際に付き合ったら失敗しちゃうんだ。 あたしどうしたら。 「紗英子さん?」 ――ドッキン 下の名前で呼ばれて、あたしの胸が音をたてた。 そういえば、さっきのキスのときも――。 『紗英子さんが俺のモノになればいいのに、って』 かぁぁぁぁ な、なんで今思い出すのよっ。恥ずかしい!