「はぁ、思った以上に鈍感」 「え?」 ため息が聞こえたかと思ったら、あたしの体を支えたまま床に座り込んだ。 「……!?」 途端に密着度が高くなる。 や、ヤバい。 これじゃドキドキいってるのがバレる!! 「し、織くんあたし……」 「好きだよ」 え――……? 織くんの腕から逃れようとしていたあたしの動きが、止まった。 「し、織くん?」 「好きなんだ、楠先輩のことが」 ギュッと抱きしめられて、全身に織くんの温もりを感じる。