甘い心はあなた一色





そんな甘い言葉とともに、唇には生温かい感触。



優しく触れられたそれが、だんだんと熱を帯びてきて。



「……っんっ!?」



キスされてるんだって気づいたときにはもう、あたしの体は力が抜けていた。



「……っと、楠先輩?」



肩で息をしながら、織くんの腕の中に倒れ込む。



なに、この感覚。



「なんで、キスなんか……」



「わからない?」



綺麗な瞳に見つめられても、何も答えは出てこない。



「……わかんない」



織くんがあたしにキスした意味なんて、わかるわけない。



ただでさえあたしの頭の中は、好きな人にキスされたことでいっぱいなのに。



考えることなんて、できないよ……。