「し、織くん何言って……」 「俺は本気でそう思ったよ」 織くんの視線だけで後ずさりしてしまって。 気づけばトンッと、背中に壁が当たった。 部室の隅っこに追い詰められてるあたし。 なにがどうなってるの? 「……し、織くん?」 「今だって思ってるよ。楠先輩が……」 そう言うと、あのときの夢と重なるように、織くんの柔らかい髪があたしの頬に触れた。 「織く、」 「紗英子さんが俺のモノになればいいのに、って」