「え、いや……」 「本当に大丈夫。乾かせばいいだけだし」 水だからシミにもならないしね。 「えっと楠先輩、そうじゃなくて……」 「へっ?」 そうじゃないって、なに? そう聞こうとしたあたしの手を、織くんが掴んだ。 ――え? いきなり触れた手。ざわつく食堂。 突然のことで動けないでいると。 「ちょっと、来て」 そのままあたしは、織くんに食堂から連れ出された。