甘い心はあなた一色





「……え?」



なぜか制服のブラウスがびしょ濡れなあたし。



これは、いったい?



「すいませ……えっ、楠先輩!?」



慌てたような、ちょっとびっくりしたような声が聞こえた。



この声――。



「……織くん?」



「楠先輩すみません、制服……」



黒髪の織くんが、綺麗な顔を歪めてあたしを見ている。



その手には、紙コップ。



あぁ、水がこぼれたんだ。



「えっと……全然大丈夫だよ?これくらい」



むしろ織くんならウエルカムです!