「え、し、織くん!?」 「料理してそのまま、来たの?」 「う、うん……?」 会いたくて待ちきれなかったから。 「外さないなあ紗英子さんは」 「……だめだった?」 小さな声でそう言って織くんを見ると、手招きされた。 「……?」 意味がわからず、とりあえず玄関の段差ギリギリのところに立つ。 「織くん、どうし……」 すると織くんの足が動いて、そのままギュッと抱きしめられた。 えええ!?