俺も正直会いたかったけど、毎日の電話で我慢した。 それも全部、紗英子さんのためだと思えばツラくなかったし。 それにもう、その我慢もいらなくなる。 ――これで、紗英子さんに会いに行けるんだ。 本当に大切な人を、迎えに行ける。 会ったら、まずは抱きしめよう。 離れていた1年を埋めるほどに、強く。 そして1年分の、紗英子さんが恥ずかしくなるくらいの甘い言葉を囁いてあげるよ。 きっとさっきの夢の続きも、そう遠くないはず――。