――あぁそうだ。 俺、紗英子さんと結婚したんだ。 キョロキョロと周りを見れば、白い壁に真新しい家具。 紗英子さんと引っ越してきた、新築のマンション。 毎日ここに帰ってくれば紗英子さんがいて、夜も隣には紗英子さん。 いつも大切な人と一緒にいられる、そんな夢のような毎日を俺は過ごしている。 だから俺にとっては、毎日が夢見心地なんだ。 今だって、これが夢なんじゃないかって――。 そう思っていた俺を激しい睡魔が襲い――そのまま幸せな深い眠りに落ちていった。