……なに? 同時に香る、甘い匂い。 ――この匂いは。 「……紗英子さん?」 「織くんっ朝だよっ!」 目を開けると目の前には、俺を抱きしめる朝から元気のいい紗英子さん。 「紗英子さん、重い」 「いいじゃんっ。くっついてたいんだもーん」 そう言って、紗英子さんは俺にとびきりの笑顔をくれる。 ――こんな笑顔見せられたら、何でも許しちゃうんだよな。 「……紗英子さんがそうしてたいなら、いいや」 「やったー」