「ふっ、そっか」 「そうだよー……」 バカでドジなあたしを一番にわかってくれる人、一番の愛で包んでくれる人。 それは織くんしかいないんだよ。 「紗英子さんが思ってる以上に、俺も紗英子さんを思ってるから」 「織くん……」 「俺が一人前になるまで、待っててな」 サラッと前髪を撫でられて、いつもなら何も言えなくなっちゃうけど今日は違う。 「うんっ!待ってるっ!織くんがいやって言っても、いつまででも待ってるよー!」