「おい、大丈夫か?」 あたしの顔をのぞき込む、彼方。 「う、う、うん……」 「はは、絶対大丈夫じゃねぇな」 そう言ってあたしにハンカチを渡してくれた。 そんなあたしはもう、今すぐにでも涙が溢れてしまいそう。 時の流れは早いもので。 今日はあたし達の卒業式だ。 「紗英子、泣きすぎじゃない?」 そんなあたしを呆れ顔で見る美知。 「だ、だってぇ……」