織くんは笑顔だけど、なんだか申し訳なくなる。 せっかくの織くんの誕生日なのに、あたしばっかりしてもらって。 「こんなに幸せな気持ちをもらったのに。あたしも、織くんに何かしたいよ……」 してもらってばっかりじゃ、やだ。 あたしも織くんのために何かしたいの。 だってあたしは、織くんの彼女だから。 「いいよ。紗英子さんが隣にいてくれるなら何もいらない」 「でも、」 「一生いてもらわなきゃならないから」 えっ――。