「してくれなきゃ俺、拗ねるよ?」 「え、い、いやだ!」 「じゃあ、早くして」 フッも笑ってまた目を閉じる。 うう……。 こ、これは、覚悟を決めるしかない! よーし……。 箱をテーブルに置いて、ゆっくりと織くんの肩に手を置く。 それから……触れるだけの、キスをした。 「それだけ?」 「……っ」 余裕の笑みで、織くんがあたしを見る。 うぇぇん。これで精一杯だよっ……! 「なんて、嘘だよ紗英子さん」 「え?」