甘い心はあなた一色






「紗英子さん?」



「……あ、な、なに?」



「座ったら?」



不思議そうに、突っ立ったままのあたしを見る織くん。



「あ、うん……」



何してるんだろ、あたし。



慌ててソファに腰掛ける。



「ケーキ食べようか」



「う、うん」



「ロウソク立てる?」



「うんっ!」



わーいやったぁぁ!



織くんがロウソクに火を灯して、電気を消した。



暗闇に浮かび上がる、灯り。