「はは、それならよかった。じゃあ紗英子さん、2階行こ」 「あ、うん」 手を振るお母さんに頭を下げて、織くんについて行く。 内心はすごく、ドキドキ。 だってまだ2度目だから。 織くんの部屋に来たの。 パタン、と閉まった扉の音に、微かに肩が震えた。 あたし、なに緊張してるんだろう。 落ち着け、あたし。