「織くんっ!」 何着ていこうとか、髪型はどうしようとか。 そんなの織くんの姿を見つけたら、どうでもよくなった。 服がぐしゃぐしゃになったって、髪がぼさぼさになったって関係ない。 あたしは玄関を開けてすぐ、迎えにきてくれた織くんの腕の中に飛び込んだ。 「……紗英子さん、そんなに急いでどうしたの」 目の前には、大好きな織くんの笑顔。 うわわわ。 っていつも見てるんだから! 落ち着けあたし!