「……ありがとな、朱音」 「別に。紗英子先輩には仮があるし」 「あ、そう」 ちょっと照れた様子の朱音に、笑みがこぼれた。 ……俺、バカだな。 もう少しで大切な人も幼なじみも、無くすとこだったよ。 「じゃあ俺、行ってくる」 「うん、がんばれ織」 にっこりと笑う朱音に背中を押されて、俺は昇降口に向かった。