なのに今日はなんで? なんでそんなに余裕なの? あたしはこんなにいっぱいいっぱいなのにっ! 「いつも思ってるよ?紗英子は、可愛い」 「可愛っ……!?」 ガバッと起き上がると、優しい顔した織くんと目が合った。 「紗英子さん、俺に愛されてるって自覚してって言ったでしょ」 「……そ、そうだけど」 「じゃあ、そろそろ自覚してよ」 「えっ、と……」 「こんなに好きなのに、伝わらない?」 悲しげに綺麗な瞳が揺れると、あたしまで泣きたくなる。