甘い心はあなた一色




《織side》



「織」



名前を呼ばれてノートから顔を上げると、朱音が笑みを浮かべて立っていた。



「……なに?」



目をそらして返事をすると、気にもとめない様子で朱音が隣に座った。



あれから何となく気まずくて、あまり喋ってない。



別に仲が悪いわけじゃないし、嫌いなわけでもない。



幼なじみってそんなものだと思う。



だけど、俺はコイツの気持ちに応えられないから。