「紗英子さんが悪い」 「えっ、あ、あたしは何もっ……離してっ」 「だめ。もう我慢できない」 「え……」 我慢できないって? 聞く前に、織くんの唇が耳に触れた。 「……っ、織く……!?」 「俺の家、行こ……」 「え」 「今さら断るなんて、なしだからね」 「うう、うん!」 あまりにも甘い声に、あたしはとっさに頷いちゃったけど。 あれ、ちょっと待って。 『俺の家、行こ……』 おおお、俺の家!?