「そりゃ、紗英子の押しに負けたんでしょ」 休日だからどこかに出掛けようってことになって、美知と今人気のケーキ屋さんにいるんだけど。 「はへ?」 え、お、押し? 「あたしがいつ押したっていうの?」 美知がそんなこと言うから、ケーキを食べようと開けた大きな口を閉じちゃった。 あたし、まったくアピールなんてしてないけどなぁ。 「押したつもりはなくても、好き好きオーラが出まくってたんじゃないの?」 「えぇっ」