「紗英子さん、疲れてない?」 「平気だよー」 織くん、さっきからそればっかり。 あたしのこと心配しすぎだよ。 「そ?でもちょっとあっちに座ろう」 連れてこられたのは、土手。 カップルとか家族連れが、肩を寄せ合って座っていた。 あたし達も座ると、織くんがあたしを見た。 「な、なに?」 「今日の恰好、可愛いね」 りんごあめを食べていたら、織くんから甘い言葉が降ってきた。