「紗英子さん、何もされてない?」 「うん、大丈夫」 「怖くなかった?」 「織くんが来てくれたから平気だよ」 「そっか、よかった」 優しく頬を撫でられて、触れられた部分が熱を帯びる。 「はは、顔真っ赤」 「っそ、れは織くんが……っ」 「俺が、なに?」 「イジワル……」 わかってるクセに。 「じゃあ、行こうか」 「うんっ!」 差し出された手を、握る。 どうしよう、織くんが隣にいてくれるなんてっ! あたしどうにかなっちゃうよっ!!