「おーい紗英子起きろー!」 バンッと扉が開き、聞き慣れた大きな声で起こされる。 「んー……あとちょっとだけ」 「何があとちょっと、だ。寝言は寝て言え!」 「ぎゃっ!」 抱きついていた枕を奪われて、あたしは悲鳴をあげた。 「……可愛くねぇ声」 「なっ!?枕返してよー!」 「寝ぼけてんのか。学校行くぞ」 「う゛ぅ――……」 ちょっとは甘やかしなさいよー。