真剣な織くんの顔に、思いに。
あたしは自然と涙が出た。
そんな風に思ってくれてたなんて、知らなかったよ。
あたし今日でまた、織くんをすごく好きになった。
「……認めるなんてそんなの、当然じゃない」
クスリとお母さんが笑って、お父さんを見た。
「あぁ。こんな若者、なかなかいないだろうな。紗英子、大切にしてもらいなさい」
「お母さん、お父さん……」
「ありがとうございます」
まるで本当にお嫁に行くみたい……。
泣くあたしの涙を、笑いながら織くんが拭ってくれる。
その指先が、愛しい。
あたしこんなに織くんが好きで、同じように想われて。
幸せだよ、織くん――。
