「……ん」 温かい何かに手を包まれて、オデコはひんやりと冷たい。 そんな感覚で目を覚ました。 あれ、あたし――……。 目の前に見えたのは、白い天井。ここは……。 目だけを下に動かすと、あたしの手元のベッドに突っ伏す人が1人。 ――あ。 「織、くん……?」 あたしの手を握ったまま、静かに寝息をたてていた。 その姿に、思わず笑みがこぼれる。 寝顔も、すごく綺麗。 ずっとここにいてくれたのかな……あたしのために。