ふわふわ、ふわふわ。 ぼんやりした意識の中で、誰かがあたしの頭を撫でた。 「……―――?」 何かが唇に触れて、ゆっくりと水が流れ込む。 コクンと飲み込めば、誰かが優しくあたしを呼ぶの。 「……――ん」 「……?」 「紗英子さん――……」 あぁこの声、あたしよく知ってる。 呼ばれるだけで安心して、あたしをドキドキさせて止まない。 あたしの大好きな声だ――。