「大丈夫じゃねぇ。いいから来い」 「えっ、ちょっと……」 手を引かれて、グラウンドの隅の木陰に強引に座らされた。 「……彼方?」 「先生には言っとくから、ここでじっとしてろ」 「え、でも……」 「いいからじっとしてろ。絶対動くなよ」 わかったな、と念を押されて、あたしはしぶしぶここにいることにした。 ……本当、昔から心配性なんだから。 小さく頃から彼方はイジワルで、喧嘩ばっかりだったあたし達。