「うぅ、暑い……」 真夏の太陽は容赦なくあたしたちを照りつけて。 太陽の望み通り、あたしは暑さで溶けちゃいそう。 今年も、あたしの苦手な夏がやってきてしまった。 「紗英子、ほら水」 グランドの手前で競技をしているみんなを見ているだけでヘトヘトなあたしの横から、差し出されたペットボトル。 「ありがと……」 「大丈夫かぁ?」 隣には、夏大好き人間、彼方。 「彼方は元気だねー」