桜の日

「おい、高松。」

花崎だ。

「なに?」

「6時限目。お前、見かけによらず真面目だな。」

は?

「寝そうになってたやつのどこが真面目なの?」

「だって、頑張って起きてただろ?ククッ(笑)」

また笑いやがった…

「だって、怒られるのヤだもん。」

「ふーん?そうなんだー。」

「もう、いちいちなんなの?」

「さあ?お前、おもしれぇな(笑)」

意味わからん。

「そういえば花崎。下の名前、なんていうの?」

「蓮だけど。なんで名字しってんの?」

「蓮…?」

蓮、か。

久しぶりに聞いたな。

懐かしい。

「そうなんだ。さっき笑って注意されたとき、花崎って呼ばれてたから。」

「あぁ、そっか。」

「帰んないの?」

もう、教室にはかたまって話してる集団くらいしかいない。

「高松、家どこら辺?一緒に帰ろうぜ。」

はああ?

「何いってんの?」

「何って、帰るんだろ?」

そんな平然とした顔で言うなよ。

一応、高校生だし男女2人きりで帰るのはカレカノとかじゃないの?

「そうだけど。私、一応女子高生。」

「あ、まさかお前、意識しちゃってる感じ?」

・・・

「は?そうじゃなくて。花崎彼女いないの?」

絶対モテる顔だもん。

「いねぇよ、んなもん。
言っとくけど、俺は本気じゃなきゃ付き合わねぇから。」

なにそのセリフ。

変なやつ。

「わかった。帰ろ?」

「やっとその気になったな?」

それはどういう気だ。

「一言多いから。」