コイスルハナビラ SAKURA

あたしの頭をよぎる『後悔』の二文字。

理由も聞く前に怒鳴りつけてしまった。


ああ……あたしって……


「ごめんね……涼ちゃん」

『……何でお前が謝るんじゃ』

「う、ううん……ね、熱はどうなん?」


あたしは、照れ隠しに質問してみた。


『熱? ……38.5度』

「結構あるじゃん!」


あたしは、再び驚きの声を上げる。


『じゃけ……悪いけど、今日はキャンセルっちゅーことで……』

「うん……わかった」


本当は会いたかったけど、あたしは涼ちゃんの体調を考え、ここは素直に理解を示した。


『さくら……この埋め合わせは、きっとするけぇ……ね』

「うん、お大事にね……」


そう言って、あたしたちは電話を切った。