その時、


「パンダちゃーん!」


あたしを呼ぶ声。

あたしは視線を落とす。

声の主は、もちろん猫さん。


あたしは、猫さんに出会えて本当に良かった。

一緒に着ぐるみのバイトが出来て、とても楽しかった。


そして、将来のことを考えるいい機会にもなった。


……って、やりたいことは、まだ見つかってないんだけどね。


「パンダちゃん嬉しそうね~。何かあった?」


あたしの顔を見た猫さんは、首をかしげる。


「な、何でもないです!」


あたしって……考えがすぐに顔に出るみたい……


「ね、猫さん、今日も頑張りましょう!」


あたしは照れ隠しに声を張り上げると、パンダの頭をかぶった。