その後、あたしたちは仕事に戻った。

周りで見ていた人たちにケレスのチラシを配ったり、直接お店に案内したり……

猫さん効果もあって、ケレスは大盛況のうちに閉店の時刻を迎えた。


今日も疲れた1日だった。


でも、それは決して嫌な感じじゃない。

心地よい疲労感と充実感が、あたしの胸いっぱいに溢れていた。


「私は、そんなの感じる余裕なかったよ……」


麻紀ちゃんは言う。

店内は、まるで台風が訪れたみたいな忙しさだったんだって。


「嬉しい悲鳴ではあるけどね」


若林さんは、額の汗を拭う真似をして微笑んだ。