「「あ、あの……!」」 あたしと麻紀ちゃん、2人の声が重なる。 あたしは、驚いて顔を上げた。 その瞬間、麻紀ちゃんと目が合う。 麻紀ちゃんも驚いてるみたいだった。 「な、何? さくら」 「う、ううん、麻紀ちゃんこそ……」 そう言って、また2人とも黙り込む。 でも、次の瞬間━━━ 「「あのね!」」 また、2人の声が重なった。 「……もう! 何で2回も、かぶるのよー!」 「麻紀ちゃんこそーっ!」 そして、2人は顔を見合わせて笑った。お腹を押さえて、涙が出るくらい激しく。