「はいはい、上がってー」 「…おじゃましまーす」 学校が終わってから 真っ直ぐに栞里の家を目指した。 …………… 栞里は部活があったけれど 『あずの方が大事』 そう言ってくれて 部活はサボったみたいだ。 ーー……… 栞里の家に向かう途中も 栞里の口から出てくるのは 川崎の名前ばかりで。 胸が締め付けられそうになった。 「で、話って?」 わざわざ用意してくれた紅茶のティーカップを差し出しながら、栞里は沈黙を破った。