「何? 桜見てたの?」



あたしの大好きな人…



「うん、綺麗だなぁーって。
北村くん、どうしたの?」




北村くん。



あたしの大好きな大好きな彼氏。



「どうしたの?って…今日卒業だぞ?
彼女んとこ来て話す以外、何があんの」



「へへっ…

もう…卒業かぁ…」



まだ全然実感がない…。


でも、明日からは高校生じゃなくなる…。


そして…北村くんとも…



「離れたくない…っ」



あたしは、北村くんの制服に顔をうずめる。




「朱里…一回しか言わねぇから、聞いてろよ?」



あたしは顔を上げて北村くんを見る。




…1年生の頃よりもさらに大人っぽくなった。


背も伸びて、あたしは北村くんの肩以下ぐらいだ。



髪の毛も伸ばしてるみたいで…短髪だったあの頃より、色っぽい…。



相変わらずモテモテだし…かっこいい。




「…んな見つめてんなよ」



あたしは、無意識に北村くんを見つめていたらしく、北村くんの顔がほんのり赤くなっている。