あ、かわいい……


手のひらサイズの、猫のストラップ。



白がベースで、薄茶色の模様が所々入っているけど、三毛猫とはまるで違う。目はダイヤのように見せかけたプラスチックだった。


お嬢様に飼われていそうな感じ。


頭はモコモコしている。


頭から下にリボン結びをしたレースがぶらさがっていて、体はない。



値段を見る


1600円……


値段は可愛くない……。


ストラップでその値段は高い。



あたしはジーっと眺めていた猫のストラップをもとの位置に戻した



「あれ?買わないの?」


ふらふら物色していたはずのたかしゃんが隣に来る


「可愛いなって思って見てただけやから。」


あたしは隣のピアスのコーナーに目を向ける

耳に穴はない。このピアスはイヤリングにもできるらしい





「可愛いね。これ。」


あたしが見ていた猫のストラップをたかしゃんが手に取って言う。



「うん!凄くかわいいっ。」


あたしはたかしゃんに近づいて、たかしゃんの持っている猫の頭をよしよしする。



「みーたんみたい。」


「え……?」


「……これ、欲しい?」


「えっ?あ、うん……」



そう返事をすると、レジにたかしゃんが猫のストラップを持っていった。




えっ、ちょっと待って、あたしいくら可愛くてもそんな高いの買えな……



速やかにお会計を済ませるたかしゃん。


「はい。猫ちゃん。」


値札を取り外してもらっただけで、ラッピングはされていない



ほんと、かわいい……ずっと見てても飽きない。