記憶の欠片

「しゃーない。これが俺だ。」

「たけちゃん、本当に先生?」


たけちゃん?


……あぁ、佐野先生のことか。

佐野剛。
名前の“たけし”から、たけちゃん。

そういうことか。
一瞬なんだかわからなかったわ。

てか、いきなりあだ名?
なんか、すごいね。付けた人。


「吉田、もうあだ名呼びか?あ?
 いい度胸してんなぁ?」

「いや~、照れんね~」


「…褒めてねぇよ。」


笑い声が教室中に響き渡る。


面白い。

初めて逢ってここまで息が合うものなのだろうか?

クラスの雰囲気が初日でとんでもなくよくなった気がする。

うん。いいこといいこと。


なんか、めちゃくちゃ幸先よくない?

この調子で明日もいいことあるといいなぁ、なんてね。
んなこと、あるわけないよねぇ…流石に。