祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

キヨが走って向かった場所は、さっきまで花火をしていた土手。


初めて5人で星に願いをかけた場所だった。




「…カゼ?」



土手に着くと、ひとつの人影が夜空を見上げていた。




「…………キヨ」



その人影はカゼだった。





「何でこんな所にいるの!?カンナから聞いたよ。病院行こう?」

「………行かない。行けないんだよ」



空から視線を外そうとしないカゼの前に立つと、キヨはカゼの顔を見上げた。



カゼの瞳は星の光で輝いているのか、涙で輝いているのかわからなかった。





「………星に願ってるんだ。あの頃の願いが叶わないようにって」


「カゼ…あなたとお兄さんに何があったの?何であんな願いをしたの?」




キヨは呆然と空を見ているカゼに問う。


カゼは首に掛かっているネックレスを触りながら呟いた。




「………あの日兄貴に、キヨ達とお揃いのこのネックレスを隠されたんだ。そして兄貴は俺に『お前なんか消えろ』って言った。だから俺も祈った。兄貴が消えろって…」


「カゼ…」




カゼのきらきらと輝く黒い瞳から一筋の涙が流れた。



まるで

空に流れる流れ星のように…