祈りのいらない世界で〜幼なじみの5人〜【実話】

「……!!カンナ!?」



顔が青ざめたカンナにキヨが駆け寄ると、イノリが小さく舌打ちをする音が聞こえた。




「大変なの!カゼっ…カゼが!!」

「カゼが何!?どうしたの!?」



息を切らしたカンナの背中をさするキヨ。


ただ事ではない雰囲気にイノリもカンナを見る。




「…今さっき出掛けようとしたカゼのお兄さんが……交通事故にあって…病院に搬送されたの!カゼに知らせたら…カゼどこかに行っちゃって」




カンナの言葉を聞いたキヨが家から出て行こうとすると、イノリに腕を掴まれた。




「行くな!キヨは俺といろ」


「今そんな事言ってる場合じゃないでしょ!?」


「カゼと俺どっちが大切なんだよ!カゼの事なら大丈夫だ。兄貴が死んだワケじゃねぇんだから」


「……イノリおかしいよ。カゼは私達の親友でしょ?ほっとけるわけないじゃない」




キヨはイノリの腕を振り払うと、走り去った。





「バカ野郎。折角この俺が……。もう2度と優しくなんかしねぇからな」




イノリはキヨが消えた方を見た後、視線を電柱に移し強く殴りつけた。